COLUMN

空き店舗を再生!

< 01 築22年、空き店舗となった建物を収益資産として再生させる>

商業系施設(貸し店舗)の賃貸経営は、入居者が複数いる賃貸住宅とは異なり、唯一の借主であるテナントが撤退してしまうと、新たな借主を募集したり、家賃を下げても借主が見つからない状態が続いたりと、年数が経つにつれて頻繁に ” テナントの入れ替わり ” が起こるような事態になりがちです。そうなると収益資産として非常に不安定な状態に陥ってしまいます。

 

今回ご紹介するのは、そんな収益資産として不安定な状態に陥ってしまった空き店舗を、どのように再生させるのか実例を交えてご紹介したいと思います。

< 02 初期費用は抑えて、現状のままで借主を待つ>

現状の貸し店舗の状態のままテナントを募集する場合、賃料設定をいくらにするかが重要になります。高い賃料で借りてほしいテナントオーナーと、現実的な賃料でテナント側との仲を取り持つ不動産仲介業者とで、立地条件に合いそうなテナント候補を模索しながら、しっかりと話し合って進めることが大切です。

 

 

 現状建物のまま(敷地面積約190坪、建坪85坪)で想定されるテナント候補は

● ある程度広い事務所を探している事業者。

● 駐車台数15台程度が必要とされる会社や営業所。

● 学校が近いため、塾や放課後デイサービスを行っている事業者。

● 駅に近いため、電車を利用する事業者。

となります。

 

 [メリット]

・現状のままなので初期投資がほとんどなく、リスクが少ない。

・建物は現状のままなので維持管理しやすい。

 [デメリット]

・現状空き店舗なので、さらに ” 家賃の下落を余儀なくされる ” 可能性が高い。

・いつ借主が現れるかわからないため、借り入れがある場合は ” 返済が滞る ”

・建物の拡張性がないため、借主候補がある一定で限定される。

・減価償却できる法定耐用年数が築22年の建物なので34年-22年=12年と短くなっている。

 

< 03 思い切ってリニューアルして、建物を再生させる>

新築から22年も経てば世の中も変わり、時代のニーズに合わない建物もでてきます。そういった場合は思い切って時代のニーズに合う建物へとリニューアルするのも良いでしょう。

 

 

 

 建物リニューアルで空き店舗を再生させるための注意点

● 借主との契約で ” 建設協力金等 ” により、テナントオーナーの初期投資の負担を軽減する。

● 賃貸借契約は長期で、特約条項も細かく話し合いをしてお互いが納得したうえで取り交わす。

● 借主との関係を良好に保つためにも、借主の要望に沿うように真摯に対応する。

となりますが、成功するためのカギはお互い(テナントオーナーと借主)に、良好な関係を長く築けていけるかどうかにかかってくるでしょう。

 

 [メリット]

・建物は新築ではなく、あくまでも増改築なので建物の固定資産税・都市計画税は築年数相応に安いままである。

・既存の建物を増改築するので新築するよりイニシャルコストが安く、計画次第で高い収益性が見込める。

・減価償却できる期間を投資額等に応じて再度設定できる。

 [デメリット]

・大掛かりな増改築を伴うため、完成するまでの期間は家賃が入らない場合が多い。

・あくまで増改築なので、新築より計画の自由度は制約されやすい。

・借主の事業性が悪くなると、 ” 返済不能に陥る可能性 ” がある。

・増改築を行った場合は建物の拡張性が減少するため、将来の借主がある一定に限定される。

 

< 04 まとめ>

以上のように、テナントオーナーと借主との関係によっては、空き店舗の再生に掛かる投資金額は大きく変わってきます。

是非とも信頼できるテナントオーナーと借主とで地域のニーズを把握し、十分にリサーチしながら10年先・20年先も安定した収益が見込める、付加価値の高い事業を計画してみてください。

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